直火式燻煙窯・乾塩せき法method
直火式燻煙窯
伝統の直火窯を使用し、桜のチップでベーコン類は二晩、布巻きロースハムは一晩燻煙します。
直火式燻煙窯とは窯の底の部分におがくず(桜のチップ)を敷き、くすぶらせる方式であるため、庫内温度や湿度、煙の発生量は職人の経験とカンが頼りです。最新鋭のスモークハウスでは真似のできない、豊かなスモークフレーバーが生まれる秘訣です。
当社はスモークチップには桜の木を使用します。チップには主に広葉樹の堅木が好まれ、針葉樹は使わないのが一般的です。針葉樹は樹脂が多く、不快な臭いやススがつくので良くないというのがその理由です。ところが、ハム・ソーセージの本場ドイツのシュバルツバルト(黒い森)地方は針葉樹モミの木をチップに使用します。したがって、チップに利用される木の種類はその国を代表する木、愛着のある木を使用する例が多いようです。
当社で桜のチップを使用する理由は、国民に最も愛される木であるから、「日本人の心」を表現する最も日本らしい木であるからです。桜の木を愛するがゆえに、最後まで活かしたいという桜の木への感謝の気持ちをこめてチップの材料として選びました。
乾塩せき法
原料肉の表面に食塩や香辛料を摺り込んで塩せき槽に漬け込み、低温で長期間熟成させる方法です。時間をかけて塩分が肉の中心まで浸み込むのを待つわけですが、このじわじわ浸透する間に肉の熟成が進み、良質な素材本来のうま味を引き出す、時が最高の調味料ということです。
反面、常に悩みのタネは塩分です。気温や肉質に影響されて、製品の塩分値がなかなか一定の塩分に揃わないのが悩みで、塩抜きの時間を調整するなど、日々工夫の繰り返しです。