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東北ハム 90年の歴史

歴史を刻み、信頼を重ねる。東北ハムのはじまり

歴史の写真
東北ハムでは、『出羽のしんけん工房』各商品名の主原料として、
山形県庄内町の農場「最上川ファーム」で生産される庄内SPF豚肉を選びました。

昭和9年(1934年)に前身の成澤商会を創業した当社は、食肉普及の使命を負って、東北地方において業界に先駆けて発祥しました。
その後間もなく昭和14年2月(1939年)東北畜産工業株式会社として本格的にハム・ソーセージ製造販売会社を設立しました。
東北畜産工業株式会社は、当時国営会社の東北興業株式会社と地元資本家が出資して発祥しました。また、設立関係書類の冒頭に時の内閣総理大臣男爵平沼麒一郎候が椎名典吉(当時東北興業理事)に東北畜産工業の取締役就任を命じる任命書が綴じられています。
当時の日本の食習慣は魚中心のたんぱく質摂取に依存しており体格的に劣る日本人の健康増進のために、日本の国策として食肉の普及は急務でした。
ハム・ソーセージ製造の技術が世の中に普及していない中で創業した当社の先駆的な取組みは、苦労の連続であったことは想像に難くありません。

創業以来90年あまりの時を経て、今なお伝統として受け継ぐ製法…創業から苦労の末に築き上げて、代々伝承してきた大切な技術に東北ハムは支えられ、これからも永続的に成長発展を続けていきます。

設立趣意書には当時の総理大臣名が記されている。

東北ハム誕生

日本人で最初にハム・ソーセージを製造したという記録は、長崎の松田雅典で、明治5年(1872年)に明治天皇に献上しています。
その後、明治30年代以降に始まるわが国の食肉加工技術は

  • 英国人ウィリアム・カーチスを祖とする「鎌倉ハム」の技術
  • 飯田吉英を祖とする農林省畜産試験場の技術講習
  • ドイツ人ヘルマン・ウォルシュケ、オーグスト・ローマイヤらによる技術
  • 大木市蔵による技術指導

この四つの流れがあります。

昭和9年(1934年)にハム・ソーセージ製造販売の会社成沢商会として発祥した当社は、昭和14年2月(1939年)に東北畜産工業株式会社と合併し現在の基礎を築き上げました。

東北畜産工業株式会社は、国営会社の東北興業株式会社と地元資本家が出資した、今で言う第三セクターの会社として発祥したと設立関係書類に記されています。今なお大切に残されている設立関係書類を紐解くと、冒頭に時の内閣総理大臣 男爵 平沼騏一郎候が椎野與吉(当時東北興業株式会社理事)に東北畜産工業(株)の取締役就任を命じる任命書が綴じられています。したがって、設立当初の当社は国営企業とのかかわりから先述の四つの流れのうち、飯田吉英が講師となり農林水産省(当時は農商務省)が主催した食肉加工技術講習会で研修した流れに属する、と伝えられています。

設立当初の製品並びに半製品の在庫は

ロールドハム 27.2貫
シンケンケーヂ 2.9貫
フロマーヂュ 5.1貫
タングチーズ 2.8貫
ポークソーセージ 11.0貫
レバーペースト 3.0貫
ベーコン 2.7貫
サラミソーセージ 25.0貫
セルベラートサラミ 8.8貫
ロースハム 31.1貫
骨付きハム 16.1貫

と記されており、今と変らない製品を製造していたことがうかがえます。

設立当初の写真

工場の写真昭和15年には、本社工場を鶴岡市末広町19番10号(当時大字道形字亀の甲52の5)に建設しました。

○ 敷地面積:2,477平方メートル
○ 建物面積:  592平方メートル

転換

祖父帯谷幸次郎が社長に就任したのは、戦後まもない昭和22年でした。実業家の祖父はもともと漬物の製造が本業で、東京の中野で漬物工場を営んでいました。
残念ながら帯谷家のルーツの漬物メーカーの帯谷食品は、時代の移り変わりに対応できずに数年前幕を閉じました。
財閥解体に伴い東北興業(株)から事業を引き継いだ祖父は、東北地方においてハム・ソーセージ製造の草分け的存在の当社の将来性を高く評価していました。以降祖父はハム・ソーセージ作りに熱意を注ぎ、精力的に運営していきました。

戦時中のエピソードとして特筆すべきは、先代立行司の木村庄之助が当社のハム・ソーセージづくりに従事したことです。疎開先として鶴岡に来た木村氏は、当社で主に原料の受入れに携わりました。小柄な体格を活かしてきびきびと軽快に働いていたと、当時を知る当社役員が懐かしそうに語ってくれました。

発展

戦時中は、物資や原料の不足から半ば冬眠状態を余儀なくされた当業界ですが、終戦後欧米風の食生活が一般に普及してくるに従い、ハム・ソーセージの需要は活況を帯びてきました。ところが、意に反してハム・ソーセージの普及を加速させたのは、魚肉ソーセージでした。当時高級品だった畜肉のハム・ソーセージに比べ、魚肉ソーセージは安価なことから都会から地方へとまたたくまに一般消費者に受け入れられました。

祖父の帯谷幸次郎は、安価な魚肉ソーセージに対抗して、品質の高い畜肉を使ったハム・ソーセージにこだわりました。昭和37年(1962年)にJAS規格が制定されたのを契機に、さらに品質と伝統の技術に磨きをかけ、昭和39年(1964年)に開催された第1回全国ハム・ソーセージ品評会に製品を出品し、日本食肉協議会長賞を受賞しました。
同年、残念ながら祖父帯谷幸次郎は、志半ばで病に倒れましたが、若くして祖父の遺志を受け継いだのが、父帯谷伸夫でした。父はその遺志を受け継ぎ、より品質の高いハム・ソーセージの開発・発展に注力し、昭和43年(1968年)にはJAS認定工場となり、社名を東北畜産工業株式会社から株式会社東北ハムと変更して、改めてハム・ソーセージ専門メーカーとしての再スタートを切りました。同年11月には山形県知事より食品衛生優良施設の表彰を受け、さらに昭和45年の第3回全国ハム・ソーセージ品評会では『畜産振興事業団理事長賞』を受賞しました。

この頃から、ハム・ソーセージの需要は急激に増え、設立当初からの施設では手狭となり、昭和55年(1980年)に本社新工場を建設するにいたりました。

三代の写真

伝統を受け継いで数々の受賞

時代の移り変わりとともにめまぐるしく環境や機械設備が新しくなっても、創業以来代々受け継がれた職人のハム・ソーセージづくりにかける熱い思いと伝統の製法は今もなお残されています。伝統に裏づけられた高い技術は、ドイツのマイスター(シュトレッツ氏)を招聘して指導を受けることにより更なる進化を遂げました。
その真価を試す意味で昭和63年(1988年)オーストリア国際食肉加工コンテストに出品したところ、金賞2品・銀賞1品受賞しました。さらに、翌開催年度1990年の同コンテストにおいては金賞1品・銀賞3品・銅賞1品を重ねて受賞しました。
平成6年(1994年)には当時社長の帯谷伸夫が食品産業優良企業の技術功労部門で農林水産大臣表彰(通称フードマイスター)を受けました。永年ハム・ソーセージ産業の発展に寄与してきたと高い評価をいただいたと感謝しております。
また、平成17年度優良ふるさと食品中央コンクールにおいて出羽のしんけん工房無塩せき布巻ロースハムスライス75gが農林水産省総合食料局長賞を受賞いたしました。
こうした数々の受賞は平素よりご愛顧賜るお客様のご支持があってこそと、心から感謝申し上げます。

受賞履歴の詳しくはこちら >>

農林水産大臣表彰受賞記念祝賀会の写真
農林水産大臣より食品産業優良企業 技術功労者部門で表彰(平成6年)

新たな歴史を創造する東北ハム

平成14年(2002年)。当社は山形さらど事業協同組合に加盟し無添加の食品づくりに着手しました。当時、食品業界は雪印食品や日本ハムの偽装牛肉問題などで、食の信頼性を失う局面にありました。
私は当時社長を受け継ぐにあたり、食の安全・安心をいかにしてお客様に提供するべきかを 真剣に悩みました。悩んだ末の結論は、今でも業界では極めて少ない『無添加』でのハム・ソーセージづくりでした。

無塩せきハムは存在します。
しかしながら「無塩せきハム」とは発色剤(亜硝酸Na、硝酸K)を使用しないハムを指し、他の食品添加物に関しては特に制限がないという矛盾を抱えています。
「さらど」は菓子、造り酒屋、漬物や製麺所といった食品の異業種の集まりですが、食の製造に対する高い志は同じです。さらどは磯部理念に基づくごまかしのない「誠実な食品」づくりを実践する集まりです。

無塩せきのハム・ソーセージ

「次世代を担う子供たちのために」私たちは食文化を通じて、子供たちにこころを伝える義務があると考えます。食文化とは、単に食物の文化を指すわけではなく、歴史背景も含めて日本人の食生活と伝統を意味するものです。伝統とは「受け継ぎ、守り、育て、伝える」べきもの。
私たちは、永続的に発展する未来を子供たちに託して、食文化と伝統を守り伝えることが私たちの使命と心得たいものです。

株式会社東北ハムは、食を通じてお客様に感動と喜びを提供することを、経営理念に掲げています。私たちはごまかしのない食品づくりを守り、地域の皆様のお役に立てる、価値ある企業であり続けたいと願い、そうあるべく努力を重ねる所存です。
今後ともますますのご愛顧をもってご支援くださいますようお願い申しあげます。

現在登録されている商品はありません。

株式会社 東北ハム

〒997-0011 山形県鶴岡市宝田3丁目6-58

TEL 0235-28-0086 ・ FAX 0235-24-6084

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